ネタバレしかない犯人全部【絶対零度~未解決事件特命捜査~】

 絶対零度〜未解決事件特命捜査〜(Season1)

日本には現在、約6万件のコールドケース、
つまり未解決事件が存在する。

警視庁は2009年11月2日、捜査一課に
コールドケースを専門に扱う特命捜査対策室を設置。
残された数少ない証拠、
記憶の薄れた関係者の証言、
そして最新の科学技術を頼りに事件解決に挑む。

ドラマ第一話冒頭より

桜木泉(上戸彩)は被害者の行動を追いつつ、何を見て何を感じたか、実感することで、事件の糸口をみつけだす。青臭さは否めないが「未解決事件とは、犯人が社会に溶けこんでいて、新たな被害者・加害者が生まれる基にもなり得る」という普通の感覚があり、視聴者の代弁者ともなっている。のかなと。

「警視庁第二分庁舎」の玄関は、日本獣医生命科学大学の第一校舎の一号棟

以下、ちょいちょい出てくる「2010年」は、Season1の放映時期、2010年4月13日~2010年6月22日のことで、ドラマの中では「現在」になる。

 

第1話:東都銀行三億円事件(1999年12月31日)

犯人:東都銀行中之橋支店 支店長 木村行信(渡辺憲吉)
2010年4月、奥多摩スカイライン建設予定地から、の白骨死体が見つかり再捜査。被害者は、父親の借金を抱えた大貫清美、カード破産寸前の飯島友江、恋人宮本に借金がある迫田麻衣。3人は東都銀行中之橋支店の同僚で友人だが、50万円ほどの横領を行ない、みつけた支店長である木村から、3億円の横領を持ちかけられる。3人が事件に巻き込まれ殺されたようにビデオを撮影して身を隠す作戦だったが、ビデオ撮影時に3人とも、撮影者の木村に射殺されてしまう。映像は削除し、PCを売ったが、中古PCショップ店員が復元しネットに拡散。大貫清美のお腹の子の父親である木村が最後に「悪いな、大貫くん」と言った言葉が映像に残り、音声解析の結果、木村と断定し逮捕にいたる。


第2話:富士見医大研修医殺害事件(1995年4月16日)

犯人:富士見医大 医師 桐山義之(大高洋夫)
2010年4月、ゴミ屋敷を片付けていた公務員によって凶器が発見され再捜査。被害者は富士見医大研修医の日向葵。夜勤明けの日向葵は帰宅途中、ケガをしたホームレスのゲンさんを保護、富士見医大に運び、看護師長であった立花志保に引き渡すが、その後ゲンさんは行方不明に。桐山が立花を巻き込み、ゲンさんの開頭手術を実施、死亡させていた。「血管バイパス手術一度やってみたかったんだ。硬膜下血腫で処理するから問題ないよ」と桐山。日向葵が不正に気づき、告発すると言いだし、桐山に殺される。立花が隠していた、死亡時日向葵が握っていた桐山のカフスボタンに残る皮膚片と、凶器の結婚のDNAが一致したことを検察は証拠として認め、時効成立前に起訴状を裁判所に提出。逮捕しなくても起訴されれば時効が止まるが、手術中に日をまたぎ時効を迎えたと安心して手術室から出てきた桐山を逮捕。
第一発見者であり、当時容疑者であった、元恋人の野宮冬樹(ムロツヨシ)のアンニュイさが、若干捜査を惑わすが、単なる夢追い人なだけです。


第3話:神の処刑事件(1人目2002年4月23日~4人目2002年5月21日)

犯人:元プロゴルファーでインストラクター合田昌人(伊藤洋三郎)
2010年4月23日、蒲田南署管内で起きた女性刺殺事件が類似点が多く再捜査。異なる点は、ナイフで「GOD」と傷つけ、髪を切り落とす。椅子に縛り付け、現場で殺害していた。一致点は、20代後半の長い黒髪女性が被害者で、両手両足を紐で縛り、ナイフで殺害。紐の結び方も一致。2001年4月23日、不倫相手を追って妻が家出。その1年後から、妻に似た長い黒髪の女性を襲うようになったが、4人目を殺害後、脳梗塞で倒れたため殺害が止まる。8年経ち、息子の合田直規(札内幸太)を使い、蒲田の事件を含む2名を殺害。


第4話:中学教師行方不明事件(1999年7月31日)

犯人:火浦忠広(遠藤雄弥/中学生:清水尚弥)
白骨化した遺体が4係に送られてきて再捜査。遺体は駒木中学校の教師で天文部の顧問で、1999年7月31日を最後に失踪していた朝倉聡。天文部の合宿中、朝倉に万引きを咎められた四之宮真紀が「黙ってくれるなら」と自ら胸元をはだけさせ迫るが朝倉に一喝される。四之宮は悲鳴を上げ、男子部員3人に「先生に襲われた」と言い逃げる。朝倉が四之宮を襲ったと誤解、逆上し、3人で殴りかかるうち、火浦が理科室の道具で頭部を殴り殺害。四之宮を守るため3人の共犯にしようと先生を埋める。
11年後、ニュースキャスターとなった四之宮に、火浦は「先生に襲われたなんて嘘なの」と言われ、自分の罪の深さに気づき、遺体を掘り起し、警察に送った上で、自殺をはかる。未遂に終わり自首。


第5・6話:飼育動物連続殺傷事件

犯人:東京都学校飼育動物推奨会 職員 谷口康夫(小浜正寛)
千山こども交流会殺傷事件(2005年5月30日)を模倣したと思われる、飼育動物連続殺傷事件。桜井の元上司である村井(モロ師岡)が、退官前に解決したいと持ち込み、捜査することに。沢井春菜(福田麻由子)が「赤い髪飾りの女」と言われ目撃された後に、飼育動物が殺されることが、都市伝説的に地域の噂にあがるが、彼女はネット上の犯行予告を基に、犯人をつかまえようとしているだけ。春菜のラブレターを代わりに届けに行った宮田ゆきが千山こども交流会殺傷事件に巻き込まれ、殺されたことを春菜は悔いている。
飼育小屋前で宮田ゆきを想い泣く春菜を見かけた、東京都学校飼育動物推奨会の職員である谷口が「悲しんでいる春菜の顔を見たかった。おもしろい」との理由で、うさぎなど都内各地の小中学校で殺す。
ちなみに千山こども交流会殺傷事件の犯人役は、村田充(神田沙也加の夫)が演じていた。

 

第7話(録画を撮り逃しておりました。いつの日か…)

 

第8・9話:杉並女子高生誘拐殺人事件(2004年8月16日)

主犯:河野仁志(飯田基祐)・実行犯:小栗太一(滝藤賢一)
室長である長嶋秀夫(北大路欣也)と高峰涼子(山口紗弥加)にとって「消えない痛みを与え続けている」事件。別の傷害致死事件で服役中の小栗太一が酸欠装置の図を書き起こしたことから再捜査。国会議員・本谷拓郎の娘で女子高生だった本谷翔子が誘拐され、72時間かけて空気を抜く特殊装置で窒息死させられる。
主犯は、河野仁志。娘の河野美香が階段で頭を打ち、夜間診療の待合室で待つところに強引に受診を割り込んだ本谷拓郎とその愛人。結果、美香は診察を受けず、その帰りに硬膜下血腫で亡くなったことを逆恨みし、娘である本谷翔子を殺害。


被害者の母と娘の待ち受け画像エピソーどや、河野は神経質ボールペンでトントンするクセが、桜木が犯人を発見するきっかけになったり、プロファイリングの失敗により関係ない人が自殺してしまったり、小栗が死ぬ間際監視カメラにヒントを残すとか、新聞記者が被害者団体を装い情報聞き出そうとしたり、その新聞記者を使った情報操作によって犯人の気持ちを逆なでするとか。
2週に渡って描かれている分、なかなか見どころのある展開でした。


第10話:東京理工大学講師殺人事件(2009年6月26日)

犯人:東京理工大学 教授 園田道雄(浅野和之)
2010年6月河原で凶器がみつかり再捜査。被害者であり遺伝子工学研究室の講師だった浅井政文(斎藤歩)は、人の弱みを握っては金品・権威をゆすっていた。若年性アルツハイマーであることがバレ、研究から身を引き成果を譲れと言ってきた浅井を園田が殺す。
病気を知っている、樋口瑶子(ともさかりえ)は自分が罪をかぶろうと、園田の備忘録を書き換え、園田の記憶をすり替え、偽装工作する。中卒で無学であった樋口に、勉強を教え、助教まで育てたのが園田であった。その樋口ですら忘れてしまう園田だが、浅井との口論中、樋口が園田をかばっていることを知らされたことが殺害のきっかけ。
師弟愛が悲劇を産む、やつ。まず、ともさかがいい。被害者がクズ中のクズなので、殺されてスカッとするかと思いきや、なんともやりきれないラスト。


第11話(最終話):巡査部長射殺事件(1998年8月26日)

犯人:巡査部長・百瀬邦弘(黄川田将也)
2010年6月工事現場で拳銃がみつかり再捜査。死んだとされていた百瀬邦弘が犯人であった。子どもが難病で手術代のために、自分の身代わりとして暴力団組員である橋本幸生を殺す。
現場検証でわざわざまわりこんで2発目を撃っている・橋本の拳銃では1発しか撃たれていないという矛盾点が、最後さりげなく回収される演出がよい。中馬武彦(北見敏之)が1発目で脚を撃ち、百瀬が2発目で背中を撃つ。百瀬の息子の事情を知る中馬が協力。息子・百瀬望(今井悠貴)に野球を教えていた、少年野球チームのグラウンド近くの作業員が百瀬邦弘だった。

 

 


 

【評】★★★★☆ 今見ても古臭くない。 

だいたいの夫婦には耳の痛い話しだと思う【あなたには帰る家がある】

あなたには帰る家がある 第1話~第11話 

あなたには帰る家がある

金曜ドラマ 『あなたには帰る家がある』|TBSテレビより

結婚13年目の夫婦の、日常によくある不満やすれ違いから、夫は過ちに陥る。過ちの相手がマズかった。まったく正反対の二組の夫婦が出会い、互いの夫婦・家族に関わる中で、自己を見つめなおす……のかな。

 

男の嫌を集結させたなところような人間 

ひとつ関係ない話しから。わたくし、一応会社員でして、10階建てという小ぶりなオフィスビルで働いているのですが、エレベーターに乗るんです当然。わたしが降りるのは9階。途中で降りる人もいれば、9階10階まで行く人もいる。でね、誰かが途中で降りたら、誰かが閉めるボタンを押すわけです。これをね、当然女性が押すものだと明らかに思っている男性がいる。これ勘違いしているのって不思議と男性だけなんですよね。

逆に1階に下りるとき。わたしが9階から乗り、途中で止まって男性が乗り込み、わたしよりも後ろ=奥に乗り込んだのに1階に着くと「当然自分から降りる」と思っているんですよね。これも男だけです。女が開けるボタンを押して待つものだ、と思っている節がある。女性にこういう人はいませんし、まれに開けるボタンを押して、全員出るのを待つ男性もいますが、奥からでも我先にと降りようとするのは男性のみ。

通勤電車の中も高圧的な年配男性って少なからずいるもので、もう「そういうの」をジワーと感じるのに疲れて、朝は女性専用車両を利用しています。痴漢がどうとかじゃないんです。「俺様が社会を回している」とでも勘違いしているようなジジイが死ぬほど嫌い。なんなら夜間の奴らは臭いもキツイし、帰りも女性専用車両欲しい。

 

なので…ここでドラマの話しに戻るわけですが…、茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)の男尊女卑かげんに、役柄とは言え嫌気がさして、もう嫌々仕方なく見ました。

公式ページのユースケのインタビューより、『企画書の茄子田太郎のキャラクター設定は「男の嫌を集結させたなところような人間」と書いてあった』そうで、そういう意味で言えば、わたしは格好のカモ、いいお客さんですよね。

しかしとにかく、だいぶはじめの方で「これはコメディドラマとして見るものなのだ」と思ってからも、「まあ不器用なそういう人間なのだ」とわかってからも、茄子田の存在はダメだった。だいぶ最後のほうまで。

もっとも、茄子田の母親が一番「毒」だったわけなのですが。←この存在が一番ひどい。慎吾くん可哀そうに、なのにまっすぐ育って、父親を選んだ時は泣けましたねえ。

 

「あなたは誰かを許せるような人間なの?」

第4話ですね。一番、印象に残ったのは。臥せっている綾子(木村多江)の部屋に、見舞いと称しズケズケと上がりこむ真弓(中谷美紀)。
「夫を許せるかわかりません。でも夫とわかれるつもりはありません。」という真弓。「茄子田先生に言いますよ」と言われ、綾子は「どうぞ」と答え、続けます。

「そもそも許すとか、許さないとか、あなたは誰かを許せるような人間なの?人に許しを与えられるようなご立派な人間なの。言ってたわね『もっと妻の気持ちをわかれ』。あなたはどうなの、夫の気持ちをわかってるって言えるの。ひどかった。バーベキューの時のお料理。ひどかった。野菜の切り方も、洗い物の仕方も。妻の務めを果たさないくせに、要求ばかり。不満ばかり。なによ、被害者ぶってるの。あなたじゃ、わかってあげられない。彼のやさしさも繊細さも寂しさも。あなたじゃ、癒してあげられない。かわいそう、秀明さん、かわいそう。」

わあああああ。(耳をふさぐわたし) 耳が痛い耳が痛い。
長ゼリフ書き起こしてしまったじゃないですか。これを怒ったり、叫びながら言うならまだいい。淡々と語るので、より一層怖さを感じる。いやあ当事者にはなりたくないです。隠れモンスター綾子が開き直る瞬間、もう絶句と思いきや真弓は応戦するんですよねえええ。こわいこわい。

 

悪縁を切って、良縁を結ぶ

第5話の家族旅行で行った、悪縁切りの神社は、茨城県稲敷市の「大杉神社」です。

悪縁切り | あんばさま総本宮「大杉神社」| 日本唯一の「夢叶え大明神」

わたしも切りたい縁がひとつあるので、行ってみたい。茨城までは行かないけど、調べると「悪縁を切って、良縁を結ぶ」神社は多いんですね。行ってみたい。ああでも、大杉神社の土器を叩き割るのはやってみたいですね。(と思った方、目的が変わってますよ、それ。←わたしです)

 

縁といえば、真弓ね。新卒で入った旅行会社に、十何年も経って、中途採用されるものなのでしょうか。あの、トリンドルに指導を受ける姿とか、トリンドルのセクハラを助けるところとかも…もう見ていられない。

そのあたりかなー、このドラマが、イマイチだったのは。中谷美紀がカジュアルな気の抜けた格好してても、キャンプやピクニック弁当に変わったもの持ってきても、職場復帰でドタバタやっても、いわゆる「おばちゃん」に見えなくて、なんかクールでかっこいい中谷美紀がチラつくんですよね。

 

あなたの家は、帰りたいと思える家ですか?

さて、それで、二組の家族はどうなるのか。

茄子田家は、綾子優位に変わりモトサヤに収まる。佐藤家は離婚したままだが、秀明(玉木宏)と真弓は、結婚していた時よりよい関係になったと言える終わり方だったかなと思います。

ドラマのプロローグとして「あなたの家は、帰りたいと思える家ですか?」とありましたが……みなさんはいかがでしたでしょうか。わたしには、ただただ、耳が痛いドラマでしたねえ。

 


 

【評】★★★☆☆ わたしは帰りたい家だと思いますけどね。 

笑えてくるほどの夢見るダメ男役の林遣都を見るなら【鍵のない夢を見る】

鍵のない夢を見る 全5話

鍵のない夢を見る
連続ドラマW「鍵のない夢を見る」|WOWOWオンラインより

 

全5話「経験したことのない、身に覚えのある」オムニバスストーリー

原作読みました。ドラマ見ました。ドラマの「経験したことのない、身に覚えのある話。」というコピーは秀逸。それなりの年齢の女性であれば「ああ、自分はそこまで経験していないけどわかる気がする。これに近い人いる。一歩間違えば自分かもしれない」という身近さを感じる5作品です。逆に若い女性や男性はわかるのかな、と思ってしまう感覚でもあります。

辻村深月は「冷たい校舎の時は止まる」を読んで以来、ニガテでしたがこれはスッと読めました。主人公の年齢が20代から30代が設定されているからでしょうか。

 

「人生設計が階段階段って感じで踊り場がなかったのかもしれないね。」

最終夜「君本家の誘拐」(原作でも第5章)が一番複雑に見ました。子育てしながら働いたことがあれば、どちらの立場も「うんうんわかるー」「でもこっちもわかるー」というのではないかな。

見出しの「踊り場がなかったのかもしれないね」とは、高校時代の友人である理彩(原田夏希)が、君本良枝(広末涼子)に言うことば。友人グループのひとりの披露宴、直前に「普通、男性のほうが子作りに消極的なんじゃないの」と語気を荒げ、いきなり泣きじゃくる良枝(まあめんどくせー女なんですけど)を落ち着かせようと、理彩が

「いつも先に進む感じで、遊び部分になる踊り場がない気がする。もう少し今を楽しむのも悪くないと思う。このままだとまた階段を上ることしか考えられなくなっちゃうよ。子どもが生まれたから、次はマイホーム!って感じ」

と続けます。良枝は「家についてはずいぶん前から考えている」と答え、かみ合ってないことに気づいていない態度を見て、理彩は説得をあきらめます。基本的な考え方としてはわたしも理彩寄りですが、「人生設計があって、計画通りに生きてくのがいけないのか」のように反発した考え方する女性の気持ちもわからなくもない。

 

この二人のシーンはもうひとつ。子どもが生まれ、ワンオペ育児で鬱々としている良枝の家に、理彩が遊びに来る。ここでも見事にかみ合いません。披露宴の時のことを持ち出し「心配かけてごめんねって謝るかと思ったのに謝らないんだね。子どももすぐにできたのに」という理彩に対し、「あれから2ヶ月もあとのことだから、すぐってわけではない」と言い張る良枝。

うんわかる、授かりたい・計画的にと思っている時の二ヶ月って長いし、6~7週では心拍見えず9~10週まで待つ期間も長いし、不安なのはわかる。だがしかし、自分の想い・都合のことばかりの印象です。

「仕事は?いつごろ復帰するの」「はやくて3年後。育児休暇が3年取れる。だからちょうど3年後に二人目を作れば合わせて6年休めるでしょ。」「6年って…そのあとに復帰は無理だよね。6年も仕事から離れてたらその間にいろいろと変わって、ついて行けなくなるんじゃない」「どして?でも、後々のこと考えたら、旦那の稼ぎだけじゃ辛くなるだろうし。うちの会社では規則で認められてるの。」

理彩は「いい…会社だね…」と。あきらめて、軽く嫌味を言ったつもりなのでしょうが、それすらも良枝は気づかない。視野の狭い、育児で視野の狭くなった女が哀れで可哀そうとまで思ってしまいます。

 

実母からは「(育児は) みんなやってきたことなんだから、大丈夫よ」と言われる。これってある意味、呪いのことばですよね、良枝は折に触れ思い出して「そうだ、みんな、こうして苦労しているんだ」と自分に言い聞かせちゃう。

また夜泣きをしても妻まかせの夫・学(岡田義徳)は、外面はいいんです。良枝の母親には「良枝をよろしくお願いします」とか、家だって娘の名前だって、妻の希望する通りにしています。一見、理解のある夫ですが「おまえの言う通りにしただろう」とヒト任せであり、家庭・妊娠・育児は他人事に見えます。

「生まれたら連絡ください。お祝いしに行きますから」と言われていた会社の同僚にはメールアドレスを変えられ連絡がつかず。

良枝にはいらっとする点もあるけど、こうした同情すべき点があって、もう客観的に見たら、ギャーーって感じ。なのに、自分はこうしたい、自分はこうなりたいって散々言ってきた手前、言った通りになっている手前、なかなかブチまけることができない。

自分でもたぶん「思い通りに進んでいるのに、なんかおかしい。」って気づきはじめているけど、渦中にいてどうすればいいかわからない。「公園デビューは1歳すぎてから」「スーパーのレジ袋を擦り合わせると赤ちゃんが泣きやむ」等の育児書・育児雑誌しか拠り所がなく、気の毒で目が離せない。

そしてそして「思い込み激しい自己チュー女、ザマア」っていうスカッと感!……を感じるのは、わたしが意地悪なのかしら。

 

デザイン工学科の彼の夢は、医学部に転入して、サッカー日本代表。

広末を長々語ったので、サクッと第1夜「芹葉大学の夢と殺人」(原作では第4章)のことを。芹葉大学工学部デザイン工学科の同じ研究室で出会う、二木未玖(倉科カナ)と、羽根木雄大(林遣都)。

「一度夢をかなえた人って、これから何をするにしても明確なヴィジョンを持てるわけじゃない?そういう人の話し聞いてみたかった。俺も夢があるから。……俺さ、二木さんは他の人とは違うって思ってたよ、お互い高め合うことができるって」と付き合い始める。

鍵のない夢を見る第1夜 鍵のない夢を見る第1夜
連続ドラマW「鍵のない夢を見る」|WOWOWオンラインより


いやあ、この羽根木雄大はぶっ飛んでて、違和感しかない勘違い野郎なんです。

久しぶりに絵本を描いたから見てという未玖に、雄大は「ウチに置いておけば見るかもしれない。前一度見た時、未玖の文章に稚拙な感じを受けて、最後まで読み進められなかったんだよね」とシレッと言う。

医学部も受からない上、工学部を卒業できず留年する雄大。ゲームをする雄大を未玖が咎めると「俺の時間だから、どう使おうと俺の勝手だ。ゲームだって大事な気分転換の時間として、ちゃんと割り振ってあるんだ。昼間どれだけ俺が勉強してるか知らないで、人の時間に勝手に割り込んでくるな」とか。

挙句「姉に言われたから別れよう。でも友だちでいよう。フッてごめんね」と電話で言ってくる。なんなら、小説だとドラマでは描ききれない(いやだいぶ際どいシーンもありましたけど)、性癖的な部分でのダメっぷりもあります。逆に「これまで雄大に使ったお金は、53万9824円」というセリフはドラマオリジナル。

もうねダメ男っぷりが際立っていて笑える、そういうドラマです。(違うか)


二木未玖の実家「二木写真館」は浦和の鈴木写真館です。

 

 

 

【評】★★★☆☆ huluで見れます。